kintone サンプルアプリを Access で再現(営業支援パック)
kintone はノーコードで業務アプリをつくることができます
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新しくアプリを作る方法は いろいろありますが
あらかじめ 業務や業種別に利用できるサンプルアプリが100種類以上用意されています
- 営業支援パック
- 顧客サポートパック
- 人事労務パック
- 商品見積書パック
- 他
など 複数の関連したアプリを組み合わせたアプリパックがあり
すぐにそのまま利用できます
また 自社の業務に合わせたアプリに 簡単に修正して使うことができるのです
営業支援パックには
- 顧客管理
- 案件管理
- 活動履歴 (2023年9月以前)
があります
kintone の ログイン画面含め 顧客管理 案件管理 活動履歴を Access で再現してきました
kintone の営業支援パックのサンプルアプリを Access でなるべく忠実に再現した模様を紹介してきました
しかし 今回は 過去記事では語りきれなかった 便利な kintone の標準機能について 書いていきます
アプリ間連携機能(動画で紹介)-kintone を Access で再現
アクションボタン(アプリアクション)でできること
アプリアクションは 現在表示しているレコードのデータを 新しいレコードに転記できる機能です
たとえば 案件管理アプリで毎回顧客の情報を検索して手入力している場合
すでに別のアプリで管理している顧客リストから転記する といったことが可能です
関連レコード一覧
関連レコード一覧とはレコード詳細画面に「条件に一致したレコード」を一覧表示できる機能です
ほかのアプリ 同じアプリのどちらのレコードも表示できます
たとえば 顧客データと案件データを別々に管理している状態で 顧客に紐づく案件データを見たい場合などに便利です
関連レコードの詳細を見たい場合は ワンクリックで参照先レコードにジャンプできるので
画面を切り替えて検索する必要がなくなります
また 参照先のレコードを更新すると 関連レコード一覧のデータも更新されます
自動登録される項目
- レコード番号
- 作成者
- 作成日時
- 更新者
- 更新日時
これらは フォームに配置していなくても レコードが追加されたり 更新された時点で自動入力される項目です
変更はできません
【kintone】アクションボタン
kintone アクションボタン
顧客管理の詳細画面を開くと 上部に 『活動履歴を登録する』と『新規案件を登録する』というボタンがあります
これが アクションボタンです
戸田ネットソリューションズ 東京支社 の詳細画面から 『新規案件を登録する』というボタンを押したら
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案件管理の新規追加画面が開き
その 顧客名 部署名 担当者名には 戸田ネットソリューションズ 東京支社に登録されてある情報が転記されています
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わざわざ 『戸田ネットソリューションズ』を探さなくても
この方法だと 簡単に効率よく 案件登録ができますね
今度は 案件管理の詳細画面をみてみましょう
『活動履歴を登録する』というアクションボタンがあります
『活動履歴を登録する』アクションボタンを押します
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活動履歴の新規追加画面には 顧客名とその情報 案件名とその情報が 転記されています
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これは さらに便利ですね
設定方法
顧客管理の『アプリの設定』から その他の設定の 『アクション』を選びます
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『活動履歴を登録する』アクションボタンの設定
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『新規案件を登録する』アクションボタンの設定
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【Access】アクションボタンを再現
Access でアクションボタンを再現するには 『コマンドボタン』を利用します
顧客管理の詳細画面から 『新規案件を登録する』コマンドボタンをクリックします
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kintone 同様 案件管理の新規追加画面に 顧客名とその情報が転記されます
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案件管理の詳細画面を開きましょう
『活動履歴を登録する』コマンドボタンがあります
クリックすると
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顧客情報と案件情報が転記された 活動履歴の新規追加画面が開きます
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設定方法
顧客管理のフォームにコマンドボタンを配置します
コマンドボタンのクリック時イベントに 次の手順でコードを記述します
- 変数(パブリック) CRにカレントレコードの レコード番号と代入
- フォームを追加モードで開く
- 開いたフォームの読み込み時イベントで 転記したい項目に CRを代入します
これにより 新規フォームに 元のフォームから取得した情報を 新規追加フォームで転記することができます
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kintone のアプリアクションを Access で再現できましたね
次は 関連レコード一覧を Access でどのように再現できるか みていきましょう
【kintone】関連レコード一覧
顧客管理の詳細画面を開くと
下部の方に 『案件一覧』 と 『活動履歴』という 別のアプリから その顧客に紐づく一覧を見ることができます
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設定方法
【案件一覧】関連レコード一覧を配置し 下図のように設定します
参照するアプリを 案件管理とし
表示するレコードの条件として 顧客管理のレコード番号と 案件管理に登録されてある 顧客管理レコード番号を等しく設定します
顧客管理のすべてのレコードを 絞り込む条件とし
表示するフィールドを選びます
さらに レコードのソートを初回商談日の昇順とします
一度に表示するレコード数を 5 と設定します
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【活動履歴】関連レコード一覧を配置し 下図のように設定します
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【Access】関連レコード一覧の再現
顧客管理の詳細画面を開きます
下部に 案件一覧と活動履歴の一覧が 顧客に紐づけられて表示されています
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サブフォーム(関連レコード一覧)の設定
kintone の関連レコード一覧は Access ではサブフォームを使うことで再現できます
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案件管理をレコードソースにした帳票フォームを作成し
顧客管理の単票フォームに埋め込みます
リンク親フィールド リンク子フィールド を kintone と同様に レコード番号と顧客管理レコード番号を設定し
顧客のレコード番号に紐づいた 案件一覧が表示されるようにします
関連レコード一覧 から詳細画面へ
関連レコード一覧から『詳細』ボタンをおすと その案件の詳細画面が表示されます
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設定
サブフォームの明細の左にある コマンドボタンのクリック時イベントに
DoCmd.OpenForm “F案件”, , , “レコード番号 = ” & Me!レコード番号
のようなコードを記述することで 再現できます
【kintone】自動入力される項目
- レコード番号
- 作成者
- 作成日時
- 更新者
- 更新日時
これらの項目は フォームに配置しようがしまいが レコードが追加または更新されたときに 自動的に登録される項目です
レコード番号:レコードを作成した順に連番が付与
作成者:レコードを最初に保存したユーザー
作成日時:レコードを最初に保存した日時
更新者:レコードを更新したユーザー
更新日時:レコードを更新した日時
これらは自動で設定され 変更できません
【Access】自動入力を再現
レコード番号
Access のテーブル作成時に データ型をオートナンバー型にすることで レコードが作成された順に連番が付与されます
作成者 作成日時 更新者 更新日時
『保存』コマンドボタンのクリック時イベントで
If Me.NewRecord Then
Me.作成者CD = Me.txt_code
Me.作成日時 = Now()
Me.更新者CD = Me.txt_code
Me.更新日時 = Now()
Else
Me.更新者CD = Me.txt_code
Me.更新日時 = Now()
End If
If 文で
もし 今のレコードが 新規のレコードであれば
作成者 更新者 に 現在のユーザーを代入
作成日時 更新日時に Now() で現在の日時を代入
もし 新規のレコードでなければ
更新者 に 現在のユーザーを代入
更新日時に 現在の日時を代入 します
まとめ【感想】
前記事で kintone のサンプルアプリの中の 営業支援 3アプリ
顧客管理 案件管理 活動履歴 を Access でなるべく忠実に再現して紹介してきました
しかし そこでは語りきれなかった kintone の便利な機能について 今回は取り上げました
kintone の標準機能にある アクションボタンや関連レコード一覧 そして 自動入力項目について
同じ機能が Access で再現できるか 挑戦しました
ある程度 ほぼ忠実に再現できたと思います
kintone は 標準機能として 他にも様々な便利な機能が備わっています
コメントや 通知機能 ワークフローなどなど
これからも あらゆる機能を再現し 挑戦していきたいと思います
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お楽しみに